「青な時代 spoken words project , Satoko Sai + Tomoko Kurahara」を見てきました。

女装の私が、3331アキバタマビ21にて開催されている「青な時代 spoken words project , Satoko Sai + Tomoko Kurahara」に行ってきました。spoken words projectclammbonの衣装でご存知の方もいらっるのでは。Satoko Sai + Tomoko Kuraharaは陶器の作品をつくられるユニットです。


展示は3331の2階、201号室と202号室の2部屋で行われていました。202号室は2ユニットの過去の作品を床一面に整然と並べたもの。「時間をとじ込める」というコンセプトのもとで作られた、所謂消耗品の食器や衣服。常日頃から身につけ手にし、私たちの生活の道具として存在している対象が、床に並べられている、それも整然と。F/Tでの維新派の舞台を見た時に感じた凝縮された緊張感がありました。私たちはそれだけ強い刺激の中で生活しているんだと気付かされます。

ところで床に並べられた食器や衣服が、例えばユニクロや無印だったら…島村やダイエーのセール品だったら。想像するだけで恐ろしい。spoken words projectとSatoko Sai + Tomoko Kuraharaは製作者の顔が見えます。コミュニケーションができます。しかし、大量生産でつくられた消耗品は数えきれない程の人間が関わって私たちの手元に届きます。無限の人の目と対峙している事を想像すると身の毛がよだちます。いや、こちらを向いてはくれないでしょう。無限の人からそっぽを向かれているのを想像するだけで、ああ、恐ろしい。202号室での展示は、この2ユニットだから成り立っていたんだろうと思えます。

spoken words project 2012S/S collection「夜の調べ」

201号室はspoken words projectとSatoko Sai + Tomoko Kuraharaの作品がクロスしていました。床には陶器(spoken〜のテキスタイルを敷いて)が直線状に並べられています。陶器の列と直角にクロスするspoken words projectの作品が天井にかけられていました。まるで洗濯物が一直線に並べられているように。

床の青は海、天井の青は空。青春と青春の出会い。雨と水たまりの毎日。ただただ存在している私たちの日常。様々な映像が頭に浮かぶ展示は、少し優しい気分にさせてくれます。

202号室の凛として張り詰めた空気はそこに感じられません。むしろ周囲を歩きまわっておくれ、どうせ私たちはあなたに使われる消耗品なんだから。あなたの日常を刻んでくださいな。一緒に歩きましょうよ、どうしようもない日常を、青色の日常を。とでも言わんばかり。

Satoko Sai + Tomoko Kurahara Year's Plate 2012より

青は海や水、空のイメージから来るべき世界や希望といったイメージが付随しますが、その昔、自然と神の世界が同意だったころは、異世界や死後の世界を想像させるために忌避されていました。価値観、イメージの大きな転換を経験した青にはその境界を超える力があるのかもしれません。日常にある何気ない「もの」に、境界を超える力(境界を超えた歴史という時間)を込めた作品は、ちょっと疲れた気持ちや身体を少し元気にさせてくれました。


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青な時代 spoken words project , Satoko Sai + Tomoko Kurahara
2012年3月10日(土)~4月8日(日)
12:00~19:00(金・土は20:00まで、火曜休場)



◆オープニングパーティ 3月10日(土)18時~
翻訳家・江口研一さん主宰のfood + things (http://kenichieguchi.com/) によるスペシャルドリンクのケータリング
◆トークショー 4月1日(日)14時~16時
設計事務所imaの小林恭さん+マナさん(http://www.ima-ima.com/)をお迎えして


アキバタマビ21
http://www.akibatamabi21.com


※上記の写真は以下のサイトより引用いたしました。
http://saikurahara.com/
http://spokenwordsproject.com/