「超群島 - HYPER ARCHIPELAGO "3.11以後、アーキテクト/アーティストたちは世界をどう見るか?"」を見てきました。



女装の私が表参道gyreで開催されている「超群島 - HYPER ARCHIPELAGO "3.11以後、アーキテクト/アーティストたちは世界をどう見るか?"」を見てきました。ディレクターが同じ(飯田高誉氏/青森県立美術館チーフ・キュレーター)だからでしょうか。2011年大阪での堂島リバービエンナーレで出展されていた作品が数点あり、作品それ自体では既視感のある展示でした

同じ作品でも展示する空間、場所、そして文脈が変わればまた違う経験を得ることができます。世界とは「超群島」と捉えられる3月11日震災以降の日本の構造です。堂島ビエンナーレでは「未来に向けての地球のビジョンや自然観を考察」した作品が展示されていました。藤村龍至さん、大庭大介さんの作品は大阪と同じものでしたが、コミュニティにおける役割・動機の設計や(都市ではないという意味の)自然との距離は「超群島」でもそのメッセージは機能していたように感じます。石井七歩さんはいくつか大阪展示と同じものがありましたが、総じて都市それも小さい単位での都市やビル群の擬人化(少女化)でした。単純にサイズを小さくしたのでなく、単一で、正方形のブロックをそのまま積み上げた画一的な都市やビル群。「安全神話」への問題提起は記号化された少女に対する畏れに近い。いつもながら恐ろしく美しい作品です。

スプツニ子さんの菜の花ヒールはシューズデザイナー串野真也さんとのコラボ。菜の花は土壌の放射性物質浄化を促します。新たな女神の降臨か。大地は女性性を持ちます。汚された自身の体はファッションとテクノロジーによって装飾された女性性により自浄される。男性性をもって例えられる政治に対する諦め。男性である串野真也さんとのコラボと明記されていることが、ほんの少しの希望かな。

ブラックボックスアルゴリズムのGoogle画像検索を用いて街をつくるGraffiti@GoogleはteamLabの実験。そこまでして街をつくろうとするモチベーションは何なのか。疑問に思わない事が疑問。しかし結果、そういった「まちづくり」の活動が続けられてきた事実は、確かにある。

その他、dot architects+水野大二郎さんの作品などが展示されています。4月16日まで。

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「超群島/HYPER ARCHIPELAGO」
会期:2012年3月11日(日)〜4月16日(月)
時間:11:00-20:00
会場:EYE OF GYRE
参加作家:磯崎新、スプツ二子!、teamLab、大庭大介、石井七歩、SAM [田尾松太+井口美香]、キュルル feat. チハルチロル、dot architects+水野大二郎、403 architecture[dajiba]、mashcomix+TEAM ROUNDABOUT、藤村龍至