東京座



東京座










やまだないとの漫画を読むと、いつも目の前に靄がかかったような気になる。で、その靄は、同じ本を読んでいる人たちと共有できているような気がする。東京で生きるって、こういう事なんだ、というとても薄い実感が湧いてくる。




現実はそれ以上でもそれ以下でもない。時間は何事もなく流れて、いつまでもそのまま。舵の無い小舟にのって、私たちは流れていく。現実は前から後ろにただただ通り過ぎて、何もできない人間、私たち。抗おうとしたり、コントロールしようとしても無駄で。ただ、浮かびながら何かを思っているだけ。




それでいいんだし、それ以上は無い。なんとなく、あきらめとは違うんですが、わかった気がする。明日も太陽はのぼるし、お腹が空く。そして生きるんだ。東京で。