VIVIAN BOYSのライブ@紅布を見てきました。



女装の私がVIVIAN BOYSのライブを見てきました。








知的で上品なガレージ・パンクという印象。ドラムのnao☆naoさん(女性)を挟んで、ギターの本多スーサイドさん(男性)、tommy vivianさん(男性)という構成。パフォーマンスは緻密に計算され構成されているがその素振りは見せない激しくもスタイリッシュなバンド。繰り返し検証された緻密さを感じました。お酒を飲んで盛り上がっていてもふと現実に引き戻される、ちょっとした失敗はどのパフォーマンスでも存在します。”なまもの”だから仕方ない。VIVIAN BOYSはそれがありません。最後まで完成されつくした激しさで、50cm低いフロアからステージ上の3人を見上げる私たち観客を、全く裏切らない。頭のいい人は優しいんだ。








ギターのノイズは強くて最前列で見上げる私の耳には細かい音まで判別できません。でも、私には聞こえました。本多さんが組み立てている映画的なストーリーと、VIVIAN BOYSの笑い声と、私たちの声にならない歓声。tommy vivianさんが顔全体で睨むのは空気の中に広がる無数の観客。彼らは時々向かい合いネックを高く上げて、文字通りキメる。脚はリズムをとる。完成された台本があるんじゃないかと錯覚する。それをnao☆naoさんのドラムとパフォーマンスが激しく壊す。混沌の中を彼女の澄んだ声が真っ直ぐに進んで私たちを捉える。








観客は、VIVIAN BOYSの一部になることができます。頭のいい人は優しいのです。どんな激しさの中でも「Yeah!」「S.! S. S.O.S.!」と声を、手をあげて呼応できる。正統派/ベーシックな曲の構成が、観客を取り込む。そうして、VIVIAN BOYSのファンは増えていくんだろうなあと、ライブの後最前列で余韻に浸っていました。








バンド名はヘンリーダーガーが描いた「ヴィヴィアンガールズ」に着想を得ていると聞きました。ヘンリーダーガーの絵を発見した人もこんな気分だったのかもしれない。「やばいのを発見してしまったなあ」















ライブの後、VIVIAN BOYSの3人と話す機会がありましたが割愛します。ただ一言。「知的」で「優しい」人たちでした。