やまだないとのフレンチドレッシング




フレンチドレッシング (アクションコミックス)

フレンチドレッシング (アクションコミックス)










セックスのシーンに、私は勃たない。それを綺麗なものだとも思わない。神聖視もしないし、無駄に肯定もしない。ただ、肉体が絡んでいるだけであって、そこに物語があるだけで、その物語を読んでいるだけで、絵に何も反応をしめさない、私の下半身。ええ、下ネタでごめんなさい。





だって、エロ本なんですもの。気を抜けば。女子高生がおっさんとセックスをする。女子高生が売春をする。親友同士の男の子とセックスをして子供を妊娠する。男同士のカップルの間に入ってセックスをする。女の子同士でセックスをする。近親相姦。強姦。なんでもこい、でも、総じてエロよりも、生身の感情が目立つのです。





女は子宮で考える、と聞いたことがある。この本を読んで、ああそうですか、と納得してしまう。でもその納得は気持のよいものではないけれど。だって私には子宮がないから。子宮があるかもしれない場所には別の内蔵がある。ここで考えてみろというのは、無理がある。膵臓でどうやって考えろってんだ。健康的な恋愛をしろってか。知るかい。





冗談はさておき、綺麗ごとで恋愛だのなんだの、男と女のつながりは説明できないんですよね。私にはよくわからない。どうせ傷つけるなら、はなから恋愛なぞしないほうがいい、なんて腐ってますから。フレンチドレッシングに憧れるとするならば、前戯も何もいらない挿入と射精とでつながる恋愛に。何も求めない。内蔵と内蔵のつながりだけが欲しくなる。そういう本です。