strawberry shortcakes




Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)







最初に申し上げますが、私は男です。家庭を持ち、養うだけの収入を社会で稼ぎ、年寄りになり、人生を終える道が目の前に伸びていく。そういう男という性として生を授かりましたが、私は女性性を持っているので、夢は主婦です。誰かに所有され、その中で自分の守れるだけのものをしっかりと守る。それ以上の戦いは望みません。だから、ライターとして密やかに社会貢献をし、その対価としての報酬でひっそりと家庭を守る。そんな私を所有してくれるような方と、家庭を持ちたいと考えています。なんだこりゃ。





「strawberry shortcakes」を読んで、誰に共感するでもなく、ただそこに流れる空気に共感する人は多いのではないでしょうか。イラストレーターや上京してきたOLや娼婦などなど、4人の登場人物はそれぞれが、一定の意味で普通ではない。「普通ってなんだ?」という疑問が頭をもたげるけれども、まあ、なんとなく、そんな一般的ではない人たちが集まって、東京という街の住人を形成しているのだと思います。(そういう意味で「恋したいおさげの女の子」が普通に一番近いんだろうけど)





それぞれがどうしようもなくワガママで、好き勝手生きている。でも、どこかであきらめがあって、それも青臭いんだけれど。ただ「幸せになりたい」という希望だけが共通していて、その「求め方」や「あきらめ方」に共感する。それは女性性を持っている人間ならば誰しもが共感しうることなのじゃないでしょうか。だから映画化もされたんではなかろうかと。





神様


ほんとは


あなたなんていない。





あたしはこんなふうに


菊地を手に入れるのだ





真っ黒いページにこの5行の台詞。これがこの4つの短編が織りなす「strawberry shortcakes」をまとめています。私の持っている単行本は祥伝社のもので、装丁がマーブル模様の美しいものでした。それは全く混ざり合うことのないいくつかの色が、不規則に模様を描いていていて、それはそれで美しい。生き方や求め方は色々で、何かに当てはまる必要はなくて、無理はする必要がない。ただ、自分の生き方に責任をもって、それをまっとうすればいいのだろうな。





そう思いながら、部屋でも掃除すっか、なんて思った私でした。書評になってねーな。すんません。。